points-of-view’s blog

創作イラストを。世間とずれてるブログです。

21. 私の好きな本


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これは世間とずれている私のブログです。
今日は私の好きな本を紹介したいと思います。

アメリカ・インディアン–奪われた大地

フィリップ・ジャカン著 富田虎男監修 訳者森夏樹
創元社「知の再発見」双書20

 私がこの本を初めて読んだのは20代初めの頃だと思います。元々幼い頃から部族に興味がありました。この本は自分で書店で見つけて買ったものです。
母に尋ねられた事があります。
「何でそんなにインディアンが好きなの?」
「なんか、生命力を感じるからだと思う」
「そうか。それはわかる気がするね」
母はいつも私の趣味を理解してくれるのでありがたいと思います。

 

 今"インディアン"と私は書いていますから、この時代"ネイティブ・アメリカン"と書かなきゃだめじゃないか?と思っている方もいるかもしれません。
しかし、実際のネイティブ・アメリカンの方たちはけっこう自分たちの事をインディアンと自称しているようなのです。

他にもいくつか関連本を読みましたが、ネイティブ・アメリカンでもインディアンでもどっちでもいいと言っている方もいます。

もちろん差別的だと思っている方もいると思いますが、ここでは愛を込めてインディアンと記述させていただきます。
 

 まずこの本の良いところは写真や絵がたくさん載っていることです。
族長の顔写真や道具や暮らしぶりを見るのがとても楽しい。アメリカ人のジョージ・カトリン氏が実際にインディアンに会って描いた肖像画がカラー口絵として載っています。
主に族長の肖像画なのですが、彼らの名前がとても格好良い。

 

ランニング・フォックス(走る狐)

フォーベアズ(四匹の熊)

ボウ・アンド・クウィバー(弓と矢筒)

ブルズ・バック・ファット(雄牛の背の脂身)

シャリタ・リッシュ(邪悪な族長)

リトル・ウルフ・ヨワイエ(小さな狼戦士)

ウルフ・アンド・ヒル(狼と丘)

マン・オブ・グッド・センス(善意の男)

 

私はこの中の名前を付けられるならソーク族族長のランニング・フォックスが良いですね。足が速そうな名前なので格好良いと思います。
映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」でもそういった名前が出てきます。大抵は自分の起こした出来事や外見から付けられるようです。その出来事の前はどういう名前だったのか聞いてみたいですね。
この本は興味深いところがたくさんあるのでどこを紹介するか悩みますが、中でもアパッチ族族長ジェロニモの回想記やオグララ・スー族族長で進歩主義者だったレッド・クラウドの報告、インディアンの少年が初めてバッファロー狩りに行った時の手記ルター・ウルス・ドゥブー「スー族族長の思い出」が面白いと思います。
ここでその手記を少し書かせていただきます。

丘の頂きに着くと、狩人たちは馬の手綱をゆるめた。馬はいっせいに風のような速さで突進しはじめた。私も自分の乗っている黒い小さな牝馬にムチを入れたが、一団の先頭に出るにはちょっと力足らずで、巻き上がる砂塵のちょうどまん中あたりを走っていた。(略)※
父が前に話してくれた光景を実際に見たのはその時だった。バッファローの大群がこちらに向かって前進してきていた。バッファローは私たちに気がつくと、二手に分かれて反対の方角に走り出した。私は、なんとかしてこのうちの1頭を倒したいと思った。しかし、私は自分が大きなバッファローにくらべてあまりにも小さなことに驚き、本当に恐ろしくなってしまっていた。牛の腎臓と毛皮をもって帰っていらっしゃいという母の言葉を私は思いだし、自分はもうりっぱな一人前の男なのだということを自分に言い聞かせた。
ルター・ウルス・ドゥブー「スー族族長の思い出」
アメリカ・インディアンー奪われた大地』より引用

※本書の中でも本文が省略されています。

 

興味を持たれた方は読んでみていただけたら嬉しいです。
このブログを書くにあたりまた読み返しましたが、この手記は何度読んでも面白いと思います。大人になればなるほど心に響いてきますね。
他にも面白いところが沢山あるのでまたこの本について書くかもしれません。

 

では今回はこの辺で。
ここまで読んでくださりありがとうございました。